「真夏なのにインフルエンザが流行している?」そんなニュースを目にして、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。当院の診察室でも、最近患者様からご質問を受ける機会が増えてきました。
今回は、足元で起きている感染症の流行状況について、正しい知識と対策をお伝えします。
インフルエンザ:局所的な“インバウンド株”が背景に
厚生労働省の発表によると、定点当たりの報告数が流行開始の目安(1.0人)を超えるなど例年より早い動きが見られますが、全国一律の大猛威というわけではありません。
この夏場の流行の大きな要因として考えられているのが、インバウンド(訪日外国人観光客)や海外渡航者を介した持ち込みです。特に日本と季節が反対となるオセアニアなど南半球では、日本が夏の時期にインフルエンザのシーズンを迎えます。観光やビジネスでの人の往来に伴って流入したウイルスが、特定の地域や学校の部活動、施設といった集団生活の場で局所的なクラスター(感染者集団)を引き起こしているのが主な背景と見られています。
新型コロナ:昨夏より抑制も、依然として警戒が必要
一方、夏場に市中感染の主流となっているのは、依然として新型コロナウイルス感染症です。
今夏の新型コロナの発生状況を振り返ると、大規模な波となった昨年の夏に比べれば患者数は抑えられている傾向にあります。しかし、猛暑によるエアコンの使用で密閉空間が増えることや、お盆休みなどのイベントによる人の移動が重なり、依然として一定の感染者数が報告されています。感染数自体は落ち着きを見せていつつも、決して「収束した」と言える段階ではなく、引き続き予断を許さない状況です。
夏の発熱・体調不良を感じたら
夏場の発熱や倦怠感は「単なる夏バテ」や「熱中症」と自己判断してしまいがちですが、実際には新型コロナやインフルエンザといったウイルス感染症であるケースも少なくありません。
- 手洗い・うがいの徹底
- 室内での適度な換気
- 体調が優れない際の外出自粛と十分な休養
基本的な感染対策は、どのウイルスに対しても変わらず有効です。急な高熱や関節痛、強い倦怠感などの症状があらわれた場合は、無理をせず早めに当院または最寄りの医療機関にご相談ください。
季節の変わり目に向かうこれからの時期、皆様が健やかに過ごせるよう、適切な感染症対策を心がけていきましょう。

