医療・医学なんでもコラム

副院長が日々診療に携わる専門家としての知見から、医療や医学について様々なテーマで語ります。現状の医療と医学の実情がわかるコラムです。

コラムNo.3 ジェネリック医薬品って安心なの?

ジェネリックと聞くと安いが品質の悪い薬というイメージがあるでしょう。そもそも「ジェネリック」とは「ジェネリックネーム=日本語訳:一般名」から来た名称です。別名「後発品」とも言います。先発品が販売した薬剤は特許が切れるとどのメーカーも同じ薬理作用を示す薬剤を販売することができます。その一般薬剤名(ジェネリック)にちなんでジェネリック医薬品と呼ばれています。実はこのジェネリックネームは世界共通です。英文の処方箋を日本で書いてもらえば海外でも同じ処方を出すことが出来ますが、先発品の日本独自の名称は海外では通用しません。例えば降圧薬のアダラートという先発メーカー薬品は販売した会社が付けた名前で一般名ではありません。一般名は「ニフェジピン」で、現在この名称を多くのメーカーが共通して使用しています。後発品は昔からありました。昔の後発品は卸の値段と薬価(いわゆる売値)の差が先発品に比べて大きく医療機関の利益が大きいため、利潤追求目的に後発品を導入する施設が結構ありました。しかし、当時はジェネリックネームを用いず、名称も共通しておらず、先発品と類似した名前が用いられていていかにも「類似品」というイメージでした。名の知れない多くの薬剤メーカーがぞろぞろ発売するので「ゾロ品」と揶揄されました。この名残が現在、「ジェネリックの質が悪い」という通説につながっています。現在国内のジェネリック医薬品メーカーは徐々に市場を拡大しています。使用量の多い大学病院や大手総合病院でもジェネリックを積極的に採用するようになっているからです。先発品を出していた大手薬剤メーカーでも自社の先発薬品を後発品に払い下げて販売しているものもあります(オーソライズドジェネリック)。そのような状況でジェネリックメーカーにも競争が生まれ、品質の良い物が求められる時代になりました。それでも医師や患者の間では「ジェネリックの効果は先発品より低い」「ジェネリックにしたら副作用が出た」というネガティブな意見は多くあります。薬価が先発品の40-50%という安さも「安かろう悪かろう」というイメージにつながっているように思われます。しかし、薬価が低くなるのは開発費がかかっていないためで、原材料が安いわけではありません。先発品と後発品の違いは主に添加物によるものです。主成分の容量が同じでも添加物の成分により吸収や代謝などが異なることもあり得ます。逆に先発品より効き過ぎることもあり得ます。副作用も先発品の方が頻度が低いとは言えません。いずれにせよ我々医師の目標は薬の種類に関わらず患者さんの症状やデータを正常にコントロールすることです。薬剤に対する反応は患者さんごとに異なり、経過を追って診療しながら薬剤を調整しなければならない点では先発品も後発品でも変わりません。当院では後発品が出ている薬剤については90%後発品で採用しています。先発品から後発品に移行した患者さんも多くいますが、そのためにデータが悪化したという患者さんを見ません。しかし、どうしても始めから先発品が欲しいという患者さんには院外薬局処方箋で先発品処方を出しています。しかしこれらの先発品もやがて薬価が下げられるとメーカーが発売を中止し、新薬のみが先発品として処方されることになるでしょう。

次回のテーマは「最近の新薬や先進治療 -光と影-」です。


コラムN0.2 院外薬局は何が問題か?

当院には院内薬局があり、診療後すぐに院内で処方した薬をお渡ししています。最近はほとんどの医療機関が院外薬局制をとっていますが、患者さんが診療後に別の場所にある薬局に行って薬を取りに行かねばなりません。そういう煩わしさのない当院の院内薬局は患者さんには便利だと好評です。昔はすべて院内処方でした。政府が院外薬局制を導入した意図としては、医師が薬を沢山出したり(ポリファーマシー)不適切な処方したりするのを薬局に常駐する薬剤師が監視し、薬の削減を目的としているとのことでした。しかし現実はどうでしょう。より高い調剤料に加えて薬剤師が管理するための管理指導料が生まれ、患者負担が増加したにもかかわらず、不適切処方やポリファーマシーが改善したとは言えません。ちなみに院外の場合、薬剤関係の医療費は院内の約3倍にもなります。ポリファーマシーについては患者に不利益があるとのことでようやく最近になって厚労省が注意喚起に乗り出すようになりました。そもそも、薬剤師が院外で独立して診療していることが問題で、患者さんのカルテを診ることはおろか、医師から患者さんの病名すら伝えられません。例え処方箋の内容が不適切でも変更できるのはせいぜい投与量や服用法くらいです。処方した薬剤を削減したり同効薬剤以外の薬に変更したり場合には医師が説明し直さねばならないことが多く、難しいでしょう。薬剤師は難しい国家試験を受けて専門的な資格を得ています。薬剤の特徴のみならず医学の基礎知識を勉強し、病院実習などで実臨床の研修も積んでいます。しかし、残念ながら院外で薬を出しているのでは医師とのコミュニケ-ションはうまくとれず、知識や経験を生かしきれていません。願わくは院内薬局に常駐して医師と処方について相談する体制を作るべきでしょう。少なくとも診療室と同じフロアに薬局を置き、患者のカルテを共有することが大切だと思います。現在の診療報酬では薬剤師が院内に常駐しても管理加算がとれませんので診療所に薬剤師が常駐していることはまれだと思います。これからの医療制度の改革に期待します。

次回は「ジェネリック医薬品」について書いてみます。

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